一般的な2ドア・クーペの基本形が、ボディ部分の大きな直方体の上にキャビン(乗員室)部分の小さな直方体を積み重ねた、この二段箱形スタイルです。
いかにもフロントにエンジンを積載するための構成といった感じで、往々にして無骨な印象になりがちですが、サンプルのイソ・グリフォやアルファ・ロメオ・ジュリアなどは、ジョルジェット・ジウジアーロの優美なラインのおかげで、力強くも上品な造形に仕上がっています。
なお、イソ・グリフォは1972年にマルチェロ・ガンディーニがフェイスリフト(外観の見栄え向上)を行っています。そのモデルも世界モデルカー博物館に展示してあります。
シボレー・カマロやフォード・マスタングなど、1960年代にシリーズがスタートしたアメリカ車には、代々この箱形スタイルを守っている車種があります。基本形ではありますが、ミニやビートルなどはスタイルそのものが強力なブランド・イメージを構築しています。