弾丸形スタイルから前後方向を大きく圧縮すると、この球形スタイルになります。その象徴は何と言っても、前例のない卵形をしたイタリアのイソ・イセッタです。
前面がドアの特徴的な構成は、イソ社が販売していた冷蔵庫がヒントとも言われています。欧州各国でライセンス生産され、ドイツではBMWイセッタとして広く普及しました。
イセッタやメッサーシュミットを含む、第2次世界大戦中・戦後の極小廉価な簡易自動車を「バブルカー(ミニカー)」と総称します。世界モデルカー博物館には、BMWイセッタもメッサーシュミットも、日本のフジキャビンも展示しています。
現代でも前後に短い車は登場しています。側面を丸くする意味が無いので卵形ではありませんが、イセッタの可愛らしさを彷彿とさせるスタイルです。そこからさらに左右幅を圧縮した電気自動車が、2輪バイクと軽四自動車の中間に位置する新しい「パーソナル・コミューター」のカテゴリーとして開発されつつあります。モデルカーでも新しい分野となるかもしれません。