ハコ車の製作工程で最も神経を使う工程、ウィンドゥの組付けを進めましょう。
仮組み時点で合わせておいたウィンドゥですが、塗装によってピッタリはまらない場合がありますので、ここで今一度大きさを確認し、必要な場合は微調整します。
ウィンドゥ・パーツが平板式の場合は、前述したように曲げながらの接着になりますので、マスキングテープなどを使いながら少しずつ貼り進めます。使用する接着剤はクリア・パーツ専用のものが最も良いでしょう。はみ出した場合でもエナメル・シンナーを浸した綿棒で拭き取れます。
この時一番注意するのは汚れです。特に内側に汚れが付いてしまった場合、組付け後に奇麗にするのはかなり困難です。組付け前には、ネル地でパーツを奇麗にしてから慎重に作業を進めます。
サイド・ウィンドゥは比較的平らですので、このようにはめ込み、クリア接着剤を筆で少しずつ流し込みます。
トロンの接着剤はサラサラですので、スキ間にスッと流れ込んでくれます。乾く前は白色ですが、5分ほどで透明になり乾燥します。
完全乾燥後の接着強度も十分ですので、ウィンドゥ以外にも細かなボディー・パーツの接着などにも使えます。
同じ要領でウィンドゥ・フレームのエッチング・パーツも接着します。少し接着剤がはみ出していますが、エナメル・シンナーで拭き取ればOK。
あらかじめウィンドゥ・パーツとエッチングを接着しておいてから取付ける方法もあります。フロント・ウィンドゥはそのようにしてみます。
フロント・ウィンドゥは予めモールを接着しましょう。
クリア・パーツには傷付き防止のマスキング・テープを貼り、モールのパーツをテープで固定してからクリア・パーツ用接着剤を流し込んで接着します。
接着が乾いたらモールに沿ってクリア・パーツを切り出し、ボディに乗せてテープで固定します。
一気に周囲を接着するのではなく、一辺ずつ接着していきます。
接着が完了しました。
はみ出した接着剤は拭き取っておきます。
ヘッドランプ・カバーなども同様のやり方で接着します。
ボディの工作に目処が立ってきたら、インテリアを組んでいきます。塗装はインストや実車の写真などを参考に塗り分け、メーターなどのデカールを貼り付けておきます。
今回の作例のように、ブラック一色の場合はシートとフロアーなどで、ツヤ消しと半ツヤのブラックを塗り分けると、質感に変化が出て良いでしょう。
塗装とデカール貼りを終えて組立てたインストルメントパネル。
シートベルトは、エッチングのバックルと、カット済みのテープが用意されていますので、簡単に4点式のベルトが再現できます。
フロア・パーツにセンター・コンソール、ベルトを組付けたシートを接着します。
フロア・マットを再現するケーニッヒのロゴ入りデカールも貼付け、エッチングで用意されたABCペダルも取付けます。
殆ど全てのパーツが組立てを待つだけの状態になりました。あとはインストなどをよく見ながら、組立てを進めていきます。
まずはタイヤの組付け。仮組み時点で確認・調整済みですが再度ここで確認し、問題が無ければ接着します。この時は必ず平らな板を用意して、その上で行います。車が不自然に傾かず、4つのタイヤがきちんと接地するように注意します。これが済んだら、その他のパーツをどんどん組付けていきます。順序としては車の中心から外に向かって組付けます。
使用する接着剤はクリア・ボンド、クリア・パーツ用接着剤、瞬間接着剤などです。タイヤは強度が必要なところですので、必ずエポキシ接着剤で固定します。
タイヤを接着していきます。
まずはタイヤを仮組みした状態でシャフトのみ接着します。その後タイヤを1輪ずつ接着していきます。
ホイール・ハウスとの隙間や傾きなどにも注意しましょう。
ボディー・パーツも組付けていきます。
テール・レンズなどのパーツには、クリアー・レッドやクリアー・オレンジを予め筆塗りしておきましょう。
全てのパーツを取付け終えたモデルには、手垢や汚れが付いてしまっています。清いネル地や柔らかい筆、綿棒などを使って綺麗にクリーニングしましょう。
最後は飾り台に固定して完成です。
市販のプラスチックケースでも良いですし、アクリル板を切り出したものでも良いでしょう。
また、専門ショップでは高級なアクリルケースも販売していますので、これに飾るのも良いでしょう。
オリジナルのアクリル・ケースを製作してくれる業者もありますので、自分の気に入ったものを作ってもらうのも楽しいと思います。
さらにオリジナルのネーム・プレートをパソコンで作成すれば、ちょっとプロの作品のようになって夢が広がりますね。
さて、1/43キットの組立方法はいかがでしたか?
今回はごく基本的なテクニックのみをご紹介しましたが、少しずつ色々な技術を習得すれば、専門誌を飾るプロのような作品を製作することも夢ではありません。
完成品を購入して多くの車種を揃えるのも楽しいですが、自ら手を動かして作った作品には愛着感もひとしおでしょう。さぁ、コレクターからビルダーへ、あなたもチャレンジしてみませんか?